データバレーとは?
彼を知り己を知れば百戦あやうからず
この言葉は 「彼を知り己を知れば百戦殆うからず。彼を知らずして己を知れば一勝一敗。 彼を知らず己を知らざれば戦うごとに必ず殆うし」と続きます。出典は孫子13篇のうちの「謀攻篇」で、現代的にいうと「情報戦略篇」といったところでしょうか。この言葉は「戦」に備えるものの核心を突いており、2500年以上経た今も色あせないものです。
現代のバレーボールにおいても「情報」や「データ」は重視されており、トップレベルから大学、一般のクラブチームまで様々な形でデータを利用しています。しかし、このデータの処理が適切に行われないと、「彼を知ったつもり」「己を知ったつもり」となってしまい、結果として「彼を知らず己も知らず、いつも危いゲームばかり」という状態となってしまいます。
また、データを活用するということは、単にビデオで撮影したり、スパイク決定率を計算することではありません。有効な方法でデータを収集分析しなければ、情報戦線を生き抜くことは出来ないのです。バレーボールのデータ分析に特化したソフトウェア「データバレー」「データビデオ」を使用すれば、効率的な情報収集、効果的なデータ分析を行うことが出来ます。
現代におけるデータバレー
情報技術を世界で一番活用していると言われるイタリアナやアメリカのナショナルチームをはじめ、その他多くのナショナルチーム、クラブチームが活用しているゲーム分析ソフトウエア、それが「データバレー」です。これらのチームの高い要求に10年以上答えてきた結果が、他を寄せ付けない機能の充実に結びついています。世界最高峰リーグ、イタリア・セリエAの公式ウェブサイトにも採用されるなど、世界のトップシェアを誇ります。
2003年より日本語版が登場し 「データバレー」はもはや業界標準(デファクトスタンダード)といっても過言ではありません。 また2007年には大幅に機能を改修した「データバレー2007」が登場しました。
今ではデータバレー4(現在の最新型)プロバージョンとライトバージョン、クリック&スカウト(簡易版データバレー)、データビデオエッセンシャルなど、多岐にわたって展開しています。皆さまの要望に合った適切なソフトをお使いいただいたうえで、チーム強化に役立ててはいかがでしょうか?
統計
自動的な表作成により情報を統計的に見ていきます。データバレーの表作成機能は一般化されていて、スキルやローテーションなどで条件を設定し、欲しい表を表示することが出来ます。
表の形態には「選手別」「スキル別」「ローテーション別」の3つがあり、たとえば、選手別の表では、「誰がどのローテーションで活躍し、どのローテーションで弱いか」を見るのに適していて、ローテーション別の表は「このローテーションで強い選手は誰か、不調な選手は誰か」ということが読みとれます。
また、それぞれの表の中で、さらに選手別、スキル別、ローテーション別に分けることがでます。これらの各表を使い分けることで視点を変えながら、より詳細に統計を分析していくわけです。
右の上2つの表は、ともにアタックについて見ているのですが、上の表1は「選手別の表」の中で「ローテーション別」に見たもので、下の表2は「ローテーション別」の表の中で、「選手別」に見たものです。これらの表示している数字自体は同じですが、表から読みとれる内容はちがうものとなります。
* [選手別-ローテーション別] ……………自チームの選手の課題抽出のための分析
* [ローテーション別-選手別] …………….相手チームの特徴抽出のための分析
チャート
用意されているチャートは、ゾーンチャートとディレクションチャートの2つです。
ゾーンチャート
さまざまなスキルがコート上を、9分割されたゾーンの中でどのようなパフォーマンスであったかを評価するチャートです。
スパイクがどのエリアから多く打たれているのか、サーブがどのエリアに来ることが多いのか、ブロックをよくしているのはどのエリアなのか、といった分析が可能です。
ディレクションチャート
コースを分析するのがディレクションチャートです。スパイクやサーブのコースを選手別や、ローテーション別に、また状況別に分析します(コースの入力が必要です)。
得点分析
どのようなプレーで得点をとったのか、とられたのかを分析します。
バレーボールの得点要因は別すれば、スパイク、サーブ、ブロック、相手ミスのいずれかです。各チームの得点要因がどのような割合かを調べることで、どのスキルが優れているか、また劣っているかを分析できます。またサーブを打ったときの得点率であるブレークポイント率、レセプションをしたときのサイドアウト率も同時に見られます。
統計レポート
試合記録を帳票として印刷出来ます。
アタック、サーブ、ブロック、レセプションなどの基本的なスキル統計の他、セット別の統計、ローテーション別の統計など簡単な統計が一枚の中に凝縮されています。
大会の公式記録を残すためにも使用でき、左上と右下の部分には、大会ロゴや組織ロゴを挿入することが出来ます。
プレー記録
プレー記録では、セットのどこでゲームが動いたのか、どのような点数推移でセットが進行したかをみることが出来ます。
1セットあたり1枚の用紙に得点推移、誰の得点、ミスか、タイムアウトはどこであったか、交代の情報が記載されます(プレー記録は画面上での表示はできません。印刷プレビュー、または印刷での出力となります)。
トータル機能
トータル機能とは、同じチームの複数の試合情報を処理する機能です。チームの特徴をつかむのに1試合だけではなく、何試合もの結果から統計や特徴を割り出せば、当然その分信頼度が高くなります。特にアドバンスド分析で条件を絞り込んだときに威力を発揮します。
例えば「20点目以降のこのローテーションで3番の選手がレフト平行を打つとき、クロスが多いか、ストレートが多いか」というような特徴は、その状況でのサンプルデータをある程度用意しなければいけませんが、1試合だけでそのような場面の分析は不可能ですね。こういうときににこのトータル機能で数試合分のデータから分析すれば、信頼性の高い分析結果が望めます。
入力
基本的な入力
データバレーは、下表のように、7つのスキルに記号が割り当てられていて、それらの種類やコースなど様々な情報が入力できるようになっています。
記号 | スキル(プレー) |
S | サーブ |
R | レセプション(サーブレシーブ) |
E | トス(sEt) |
A | アタック |
B | ブロック |
D | ディグ |
F | フリーボール(チャンスボール) |
基本的な入力は、選手の番号、スキル記号、評価の3つで、その後に詳細情報を追加できるようになっています。
例えば、5番の選手がアタックを決定した場合は、「5A#」 と入力します。
相手チームの選手の場合は頭に「a」を付けて「a5A#」という具合に入力すします。
ミスをしたときは「#」ではなく「=」を使い「5A=」 と入力します。
入力のレベルアップ
入力に慣れて繰ればもっとたくさんの情報を入力していきます。サーブの種別(ジャンプサーブやフローターサーブ)、アタックの種別(AクイックやBクイック)、コースなどの情報も入力し、レベルにあわせて以下のように入力します。初歩レベルなら誰でも1~2時間の練習で習得可能ですし、タッチタイピングが出来る人ならだれでもレベル4ぐらいまでは短期間で出来るようになります。(入力の記号は製品添付マニュアルに記載されています。)
レベル2
3番がAクイックを打って決めた → 3PA#
レベル3
3番がAクイックをゾーン6に打って拾われた → 3PA6
レベル4
7番がゾーン6から打ったジャンプサーブを相手4番がゾーン5で完璧に返球した → 7SQ65.4#
さらに詳細なコースなどを入力するレベル5、セッターのトスまわしや攻撃パターンを入力するレベル6と、入力レベルが上がれば入力する情報は多くなりますが、情報が多いほど当然詳細な分析が可能になります。
データバレー紹介ビデオ